コミュニティケア12月号に掲載されました📖
代表取締役高橋の川柳がコミュニティケア12月号に掲載されました(*^▽^*)
「次は私 母のように 看取ってね」
高橋 京子
株式会社 花みずきナースステーション(島根県松江市)
●介護者から利用者へ
訪問看護の仕事に就いてから30年が経ちました。かつて看取った利用者の娘や息子から「今度は私を」と依頼され、再び縁を結ぶという循環が見られるようになりました。中でも看取りの依頼が増え、「私、万一のときはあなたにお願いすると決めてたの」と言われるたびに、身の引き締まる思いをしています。
とりわけ忘れがたいのは、がんの終末期で闘病していたAさん。10年前に私がAさんの母を看取り、それ以来の再開でした。身体こそ一周り小さくなっておられましたが、にっこりと微笑まれた表情が記憶の中の笑顔と重なり、思わず互いにハグをしました。
ご自宅にお邪魔すると、部屋の間取りも柱の傷も昔のまま。以前お渡しした私の名刺も大切に持っておられました。お母様のことを懐かしく思い出しながら、仏壇の位牌に手を合わせました。
●受け継がれ、つながる
訪問の中でAさんがよく口にされたのが、「そういえば、母のときは○○だったわね」という言葉。かつて介護者として向き合って傾聴、共感、助言してきたことが、Aさんの中にしっかりと息づいていたのです。私たち訪問看護師の仕事とは、訪問が終了すれば消えてしまうはかないものではなく、その後も誰かに受け継がれてつながっていくの――そんな責任の重さにあらためて気付かされました。
ある日の訪問でAさんから頼まれスマートフォンでAさんを撮影したところ、Aさんいわく「ベストショット」だったそうで、それが遺影となりました。昔と変わらない、素敵な笑顔でした。
私自身も年齢を重ねて、ますます訪問看護に深みを感じ、喜びをもらっています。
いずれは私も現役を退き、若い訪問看護師のお世話になるときが来るかもしれません。でもその日までは、Aさんはじめたくさんの方々から学んだことを、次の世代に伝えていく責務があります。
継続は力なり。後輩たちの成長を楽しみながら、「とにかく続けることよ!」と後輩たちを叱咤激励する毎日です。
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